カップルで遅漏を治す本:『図解 セックス・セラピー・マニュアル』

図解 セックス・セラピー・マニュアル 図解 セックス・セラピー・マニュアル
ヘレン・シンガー カプラン,山香 和信,篠木 満,阿部 輝夫

星和書店
売り上げランキング : 556444

Amazonで詳しく見る

パートナーと一緒に治す方法

アメリカの精神科医によるセックスセラピーマニュアル集です。一章分をさいて遅漏の治療法が書かれています。特に、男性の抱える潜在的な葛藤からどうやって自己を解放して射精までもっていくかという視点で書かれていますので、僕の用語で言えば性イメージ抑圧型の人に役立つと思います。

僕の主張する遅漏改善法は個人で行うもの中心ですが、この本ではカップルで行う方法がイラスト付きで丁寧に説明されています。専門家向けに書かれているために読みにくい部分もありますが、二人で協力し合って治したいカップルにおすすめです。

不感症の女性にも役立つ

また遅漏以上に、女性のオーガズム障害(不感症)の治療法、つまりイケない女性をイケるようにする方法についても詳しく書かれていますので、女性にも参考になるでしょう。

また、女性向けに書かれたその部分を男性と読み替えても、遅漏男性は何らかのヒントが得られるはずです。自分の遅漏を精神医学モデルで理解するのに役立つと思います。

男女のオーガズム障害の共通部分

不感症の女性と遅漏の男性とは、根っこに共通の背景があると僕は考えています。どちらも性に対する社会規範をまともに受け入れ過ぎて、どこか自閉的になってしまい、自己の快感世界を押し広げたり、それを他人と共有しようとする意識に乏しいのです。そもそも快感を他人と共有するなんて考えられない、ありえないことだと思い込んでいるのかもしれません。

快感を含めた知覚体験というものは、人と共有できるものです。もちろん、それぞれの人がこの世界をどう感じているのかは、究極知ることはできません。しかし、想像することはできますし、その想像を介して僕たちは情報を伝え合い、感覚を共有して、コミュニケーションを成立させています。自分の感じる世界を相手と共有するという意識をもつだけでも、性体験の質全般が変わってきます。

この本の中にも以下の一説があります。

女性におけるオルガスムの抑制と男性の射精遅延の場合には、強迫的な自己観察が直接の原因である。強迫的に自分を観察することが、快楽の体験および性器刺激への反射を邪魔し、オルガスム反射の出現を抑制してしまうのである。(p.4)

僕なりにこれを解釈をすると、セックス中、自分の既存の世界にだけ意識を向けてしまうのが良くないということです。自分の狭い世界の中に性に対する恐怖感があったりすると、それに囚われてしまい、新しい快感世界を作り出すことができません。

ではどうすれば自己の狭い殻を破ることができるのか。単純に意識を広げていれば良いのです。自己に意識を向けるだけでなく、パートナーの快感世界をも想像し、さらにセックスしている部屋の中のモノや空間、自分の今見えている世界、感じている世界全てに対して同時に意識を向けます。そうやって広がりのある自由な空間の中でセックスをするのです。もっと大きな快感世界を二人で一緒になって作り上げていくイメージです。当サイトの各種訓練やこの本の治療法に関わらず、あらゆるトレーニングをこの発想で実践することをおすすめします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加